カテゴリー:環境問題

フランス:気候変動への対応や農薬削減のためにVifaの導入が少しずつ進む

気候変動や農薬削減の問題に対応するため、INAOは、20181025日付けのINAOの指令(Directive)で、「適応のために関心のある品種 variétés d'intérêt à fin d'adaptation(Vifa)”」を、条件付きでAOCの仕様書に含めることを認めた。現在、AOCでは、Vifaの導入が少しずつ進んでいるようだ。

まず導入の仕組みについてだが、各AOCのODG (保護運営組織)が候補となる品種をVifa と...

2023.03.19

フランス:HVE(環境価値重視認定) 基準が厳格化

フランス農業・食糧省が管轄する環境認証マークHVE(環境価値重視認定)の基準が、20231月から一部改訂された。全般的に厳しくなり、ぶどう栽培農家には、懸念が広がっている。

  [HVEとは] HVE[Haut Valeur Environnementale...

2023.01.12

OIV:世界のオーガニックのぶどう栽培についてのレポートを発行

2019年、世界で認定を受けたオーガニックのぶどう畑の総面積は 454,000haと推測され、世界のぶどう畑の6.2%にあたる。

  OIV(国際ブドウ・ワイン機構)がこのほど、オーガニック栽培のぶどう畑(ワイン用...

2021.10.01

イタリア: オーガニックのぶどう栽培の比率は世界で最も多い

イタリアのワイン向けのぶどう畑のうち、オーガニック栽培のシェアは19%で、世界で最も多いことがわかった。

イタリア農業省とIsmea  (Istituto di Servizi per il...

2021.08.11

フランス:オーガニック市場拡大、オーガニックのぶどう栽培も大きく伸びる

2020年のフランスのオーガニック市場は、前年に対し10.4%増の132億ユーロ(17千万円)であった。2010年から継続的に拡大しており、2015年からの5年間で、ほぼ倍増した。EUでは、ドイツに次いで、第二位のオーガニック市場であった。

フランスの有機農業の振興団体アジャンス・ビオが、2020年のフランスのオーガニック市場と生産に...

2021.07.28

フランス:環境認証HVE 2023年までに改訂

フランス農業・食糧省による環境認証 HVE(環境価値重視認定)について、同省は2023年までの改訂を目標にワーキンググループを発足させた。かねてからの批判に加え、EU2023年からのPAC(共通農業政策)で導入される環境対策を行っている農家への補助金を巡り、ビオの栽培団体との緊張が高まっているためである。

2011年に導入されたフランス農業・食糧省が認めるレベル1〜3までの環境認証のうち、HVE(環...

2021.07.13

ファミリア・トーレス:気候変動への対応強化のため、環境再生型農業へ転換

スペインを本拠とするファミリア・トーレス(以下「トーレス」)が、再生型農業へと転換する。生物多様性と有機物に基いた新たなバランスを構築し、ぶどう畑をカーボンシンク(炭素吸収源)として機能させることにより気候変動に対応し、2050年にはクライメート・ポジティブを実現することを目指している。

トーレスでは、気候変動による脅威をいち早く、深刻にとらえ、2008年にTorres &...

2021.03.08

フランス:ボルドーのシャトー・ブラウンが伝統的な木箱から段ボール箱に

ボルドーのシャトー・ブラウン(ペサック・レオニャン)が、環境問題を考え、従来の木箱に代わり、段ボール箱での梱包を提案している。

2019年のプリムールキャンペーンの際、シャトー・ブラウンはネゴシアンに対し、環境問題を考えて...

2021.01.10

フランス:コニャックのヘネシーがアメリカ向けの出荷に帆船使用を決定

コニャックのリーディングカンパニーであるJas Hennessy & Coヘネシー)社が、革新的な帆船の貨物船サービスを提供するNeoline社のサービスを利用し、アメリカ向けの出荷のうち、毎年400万本を帆船で輸送することを発表した。輸送による温室効果ガス排出量を抑制し、環境問題に対応することが目的。

12月2日、Jas Hennessy & Co 社のLaurent Boillot社長...

2020.12.24

ボルドー:シャトー・モンローズ 発酵の際に発生するCo2を100%捕捉しリサイクルへ

環境対策を積極的に進めるボルドーのシャトー・モンローズ(メドック格付け第2級)は、今年の醸造の際、アルコール発酵の際に発生する炭酸ガス(CO2)を100%捕捉し、リサイクルにまわすことに成功した。温室効果ガスの排出量の削減に寄与する。

シャトー・モンローズでは、アルコール発酵の際に発生するCO2を再活用する試みを2018年に開始...

2020.12.18

フランス:HVE(環境価値重視認定)取得農家の軒数が半年で50%増

フランス農業・食糧省による環境認証 HVE(環境価値重視認定)を取得した農家の軒数は、202071日時点で、8,218軒となり、11日時点の5,399軒からわずか6カ月間で52%増加したことがわかった。

フランス農業・食糧省が11月19日付けのコミュニケで発表した。当初から最も積極的にHVEの取得...

2020.11.24

カビ病対策最前線

環境への負担を考え、なるべく農薬を減らす動きがある中、農薬に頼らない、あるいは農薬の散布量を極力減らすためのカビ病対策の研究成果が次々と打ち出されている。最近発表された新しい対策や研究成果をまとめた。

  1.     紫外線ロボット 一晩中ぶど...

2020.08.18

スペインの名門 トーレス社  二酸化炭素排出量削減目標を1年前倒しで達成

スペインのバルセロナ近郊のペネデスに1870 年に設立され、今年創業150年を迎えるトーレス社。2020年までに08年比で二酸化炭素排出量を、ボトル1本あたり30%減少させるという目標を設定し、2008年にTorres & Earthプログラムを開始。このほど、2020年よりも1年早く、2019年にその目標を達成したと発表した。
 

トーレス社が、二酸化炭素排出量の削減の取り組みを積極的に進めるのはなぜか? トーレス社の社長ミ...

2020.06.15

オーストラリアの森林火災の影響は?

この夏(12月、1月)に大規模な森林火災に見舞われたオーストラリア。最終的にどの程度ワインの生産量が落ちるかは、少し時間を待たなければならないが、被害が少しずつ明らかになってきた。

Wine spectator誌の報道によると*1)、森林火災の影響でぶどう畑が焼失したのは、南...

2020.04.07

フランスの環境認証HVE 取得農家の軒数が大幅に増加

フランス農業・食糧省は、環境認証HVE(Haute Valeur Environnementale、環境価値重視認証)を取得した農家が、202011日時点で5,399軒にのぼることを発表した。2019年1月1日の時点では1,518軒、71日時点では2,272軒と大きく増加している。

このうち、HVEの認証をけん引してきたぶどう栽培農家の取得件数が、4,532軒と大半を占める。...

2020.02.26

Mari Yasuda

visi-vin news 代表

約20年、世界のワイン関連のニュースを追いかけてきたワインライターとして、世界のワイン産業が直面する今の問題をお届けしていきます。
●これまでの著書・訳書・論文一覧はこちらをご覧ください。
わだえみのわいん塾でWSETの講座を持っています。
●ワインに関する文献の翻訳歴25年以上。フランス語→日本語、英語→日本語の翻訳を承ります。ご相談ください

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